・遠視性弱視とは
私たちが日常生活の中で、近視なので視力が落ちてしまった、乱視があり視力が悪いと言って使う視力という言葉は、正確には裸眼視力のことです。裸眼視力は、眼鏡やコンタクトを使用してないときの視力です。一方、近視で、裸眼視力1.0の人でも、眼鏡やコンタクトで矯正することにより、通常は1.2くらいの視力になります。この眼鏡やコンタクトをした時の視力を、裸眼視力に対して、矯正視力と言います。
弱視は、眼に視力の低下を起こす病気が無いのに、眼鏡やコンタクトをした場合でも、1.0以上の視力にならない状態、つまり、矯正視力が悪い状態のことを言います。
子供の眼の機能は、産まれてから成長と共に発達して、10歳位でほとんど完成します。10歳迄に、外から眼に入ってきた映像が刺激となり、視神経、脳、網膜が発達し物を見て認識することがうまくなるのです。ですから、10歳迄の眼の成長期に、ちゃんとした映像が入らないと、成長が不完全なままに終わってしまうのです。
近視の場合、それでも、近い映像が入るので、まだ良いのですが、遠視のでは遠くの物も近くの物もぼやけてしまいます。常に、景色がぼんやりして見えていると、その映像が神経を通り、脳まで達し、脳は回りのけしきはこんな感じなのだなと認識してしまいます。そのまま成長してしまうと、脳にぼんやりとした映像を送ることしか出来なくなってしまいます。
つまり、視力が0.5の見え方で、10歳迄過ごしてしまうと、その後、ずっと眼鏡をかけていても、1.0の視力にはなれなということです。これが遠視性弱視なのです。
遠視は、網膜を通り越してピントを結んでしまう状態のことを言います。遠視の場合だと遠くの物が良く見えて、近くの物がぼやけて見えるというのは、実は、間違いなのです。遠視の眼は、遠くの物も近くの物も、ぼやけて見えてしまうのです。5メートル以上も遠くの物を見ているときには、私たちの目は水晶体の厚さを調整しないで見ています。しかし、このとき、遠視の眼は網膜の後ろにピントが合ってしまいますので、遠くがぼやけて見えてしまい近くはもっとぼやけて見えてしまいます。
遠視が弱いときに合は、水晶体を膨らませる調整を使ってピントを合わせることが出来るため、遠くがよく見えます。しかし、近くにピントを合わせるために遠くの物を見るときよりも、さらに水晶体を膨らませなければいけないため近くは見えづらくなってしまいます。このようにして、遠視の眼は、いつでも「毛様体筋」を緊張させているため「毛様体筋」にかかるストレスが大きくなってしまいます。
軽い遠視の場合でも、やがては調整がうまくいかなくなってしまい、どんどん進行します。そして、近くの物も遠くの物も見えにくくなります。網膜の後ろでピントがあってしまう理由としては2つあります。1つは、水晶体の屈折力が弱いためです。これを、屈折性遠視とよんでいます。もう1つは、近視とは逆に眼軸が短いことです。屈折力が普通の場合でも、角膜~網膜までの長さが短いためピントが網膜の後ろに合ってしまう軸性遠視という先天的なものなのです。遠視はこの場合がほとんどの状態なのです。

